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言志四録 / 言志耋録 第十九条 他人の為に嫁衣裳を做す

此學爲己。固宜尙自得。勿以駮雜做粧飾。近時之學。殆所謂爲他人做嫁衣裳耳。

新字:此学為己。固宜尚自得。勿以駮雑做粧飾。近時之学。殆所謂為他人做嫁衣裳耳。

書き下し

此の学は己の為にす。固より宜しく自得を尚ぶべし。駮雑を以て粧飾と做すこと勿れ。近時の学は、殆ど所謂他人の為に嫁衣裳を做すのみ。

現代語訳

この学問は自分自身のためにするものである。もとより自ら会得することを尊ぶべきである。雑多な知識を寄せ集めて飾りとしてはならない。近ごろの学問は、ほとんど、いわゆる「他人のために嫁入り衣装を縫ってやる」ようなものにすぎない。

解説

『論語』憲問篇の「古の学者は己の為にし、今の学者は人の為にす」を踏まえた一条です。学問は自分を修めるためのもので、自ら会得することこそ大切なのに、近ごろの学問は雑多な知識を並べて見栄えを飾っているだけだ、と一斎は批判します。「他人の為に嫁衣裳を做す」は唐の秦韜玉の詩「貧女」の句で、貧しい娘が年々ほかの娘の嫁入り衣装を縫うばかりで、自分は着ることがないという嘆きです。人に見せる知識はいくら集めても自分の身にはならない。資格や肩書きの数を増やすことと、自分が本当に変わることの違いを考えさせる一条です。

この章句が説くこと

為己の学自得見栄学問修養

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