言志四録 / 言志耋録 第五条 周子は宋学の宗
宋學。以周子爲鼻祖。而世稱宋學者。徒講四五集註而已。余意周子圖說通書。宋學之宗也。學者宜與經書一樣精究之。
新字:宋学。以周子為鼻祖。而世称宋学者。徒講四五集註而已。余意周子図説通書。宋学之宗也。学者宜与経書一様精究之。
書き下し
宋学は周子を以て鼻祖と為す。而るに世の宋学を称する者は、徒らに四五の集註を講ずるのみ。余意ふに、周子の図説・通書は宋学の宗なり。学者宜しく経書と一様に之を精究すべし。
現代語訳
宋学(朱子学)は周子(周敦頤)を始祖とする。それなのに世間で宋学を唱える者は、ただ四書五経の集註を講じているだけである。私の考えでは、周子の『太極図説』と『通書』こそ宋学の根本である。学ぶ者は、これを経書と同じように詳しく究めるべきである。
解説
周敦頤(周濂渓)は北宋の儒者で、『太極図説』で宇宙の生成と人の本性を一つの体系として描き、『通書』で「誠」を中心に聖人に至る道を説きました。朱子学はこの周子を源流と仰ぎます。ところが世の宋学者は、朱子が四書五経に付けた注釈を講じるだけで、その源にさかのぼろうとしない、と一斎は不満を述べます。学派の看板を掲げながら、その根にある思想に触れていないという批判です。次の条でも同じ趣旨が続きます。仕事でも、手順や結論だけを受け継いで、それを生んだ考え方の源流を知らないことがないか、振り返るきっかけになる一条です。
この章句が説くこと
宋学周敦頤源流学問原典
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