言志四録 / 言志晩録 別存 第二十九条 快烈の謚
公自述中。筆記謚號。一快烈。一恢烈。其自知者如是。迨歿。胥議定用快字。
新字:公自述中。筆記謚号。一快烈。一恢烈。其自知者如是。迨歿。胥議定用快字。
書き下し
公の自述の中に、謚号を筆記す。一は快烈、一は恢烈。其の自ら知る者是くの如し。歿するに迨びて、胥議して快の字を用ゐることを定む。
現代語訳
公(林述斎)が自ら書き残したものの中に、諡(おくりな)の候補が記されていた。一つは「快烈」、一つは「恢烈」である。公の自らを知ることはこのようであった。亡くなると、皆で相談して「快」の字を用いることに決めた。
解説
述斎の諡「快烈」の由来を記した条です。諡は死後に生前の行いを評して贈る名ですが、述斎は自ら書き残した文の中に「快烈」と「恢烈」の二案を記していました。一斎はこれを「自ら知る者」、つまり自分をよく知っていたと評しています。死後、一同が相談して「快」の字に決めました。快は明快・爽快、烈は激しく強いことを表し、別存に見える述斎の明るく果断な人柄にふさわしい字です。後の条で述斎が「男児は明決爽快であれ」と語っているのとも響き合います。自分が後世にどう評されたいかを自ら書き記すのは、自己像をはっきり持っていたからこそでしょう。自分の生き方を一言で表すなら何かを考えさせる一条です。
この章句が説くこと
諡自知人柄評価晩年
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