論語 / 子張篇
子游曰:「吾友張也,爲難能也,然而未仁。」
新字:子游曰:「吾友張也,為難能也,然而未仁。」
書き下し
子游曰く、吾が友張や、能くし難きことを為すなり。然れども未だ仁ならず。
現代語訳
子游が言った。「私の友の子張は、人には真似のできないことをやってのける。しかし、まだ仁には至っていない。」
解説
同門の友への評価である。難しいことをやってのける、しかし仁ではない。能力と徳を分けて見ている。しかも本人を貶めているのではなく、友と呼んだうえでの評価だ。次の章で曾子も同じ趣旨を述べており、子張は同門の中でそういう見られ方をしていたことが分かる。この評価の形は、実務でも参考になる。優れた成果を出す人が、必ずしも組織にとって望ましいとは限らない。難しいことを成し遂げる力と、人を活かす力は別である。ただし、これを口にするのは難しい。成果を出している人への留保は、嫉妬に見えるからだ。子游は友と呼び、能力を明確に認めたうえで留保を述べた。認めるべきところを先に認めることが、留保を嫉妬から分ける唯一の方法である。