言志四録 / 言志晩録 第二百七十三条 自ら養ふ所以を知る
知所以養親。則知所以自養。知所以自養。則知所以養人。
書き下し
親を養ふ所以を知れば、則ち自ら養ふ所以を知る。自ら養ふ所以を知れば、則ち人を養ふ所以を知る。
現代語訳
親を養う方法を知れば、自分を養う方法がわかる。自分を養う方法を知れば、他人を養う方法がわかる。
解説
親を養う、自分を養う、人を養う、という三つを一本の筋でつないだ短い一条です。親の衣食や心身の世話に心を配った経験があれば、自分の身をどう養えばよいかもわかる。自分を正しく養うことを知る者は、他人をどう養い育てればよいかもわかる、というのです。『大学』の修身から斉家、治国へと広げていく順序に似た構造で、身近なところから外へと及ぼしていく儒学らしい考え方です。前後の条で養生と孝を結びつけてきた流れの中で、それが人を養う、すなわち人を育て治める道にもつながることを示しています。自分の心身の整え方を知らない人が他人を育てられるか、と考えてみると、足元から問い直す材料になります。
この章句が説くこと
養生孝人を育てる修身
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