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言志四録 / 言志晩録 第二百六十六条 老人は尤も言を慎むべし

老人話多取信。尤宜愼言。

新字:老人話多取信。尤宜慎言。

書き下し

老人の話は多く信を取る。尤も宜しく言を慎むべし。

現代語訳

老人の話は多くの場合、人に信じられる。だからこそ、とりわけ言葉を慎まなければならない。

解説

年長者の言葉は、経験に裏打ちされていると思われるため、人にそのまま信じられやすいものです。一斎は、だからこそ老人はいっそう言葉を慎むべきだと言います。不確かな話や軽い思いつきでも、老人が口にすれば真実として広まり、若い者の判断を誤らせかねないからです。言葉の重さは話し手の立場によって変わるという指摘で、老いを論じる晩録の一連の条の一つです。前に見た「老いて少年の態を為す勿れ」「老齢は慈に失す」と並べると、老いた自分の影響力を冷静に見ている一斎の姿が浮かびます。役職や経験年数が増えるほど、何気ない一言が組織の中で重く受け取られることを意識しておく必要があるでしょう。

この章句が説くこと

言葉慎み信用老い影響力

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