言志四録 / 言志晩録 第二百六十五条 人事は落葉の如し
人事叢集如落葉。掃之復來。畢竟無窮已。自非緊要大事。則迅速一掃。不可遲疑。乃爲胸中綽有餘暇。
新字:人事叢集如落葉。掃之復来。畢竟無窮已。自非緊要大事。則迅速一掃。不可遅疑。乃為胸中綽有余暇。
書き下し
人事の叢集すること落葉の如し。之を掃へども復た来る。畢竟窮まり已むこと無し。緊要の大事に非ざるよりは、則ち迅速に一掃し、遅疑すべからず。乃ち胸中綽として余暇有りと為す。
現代語訳
人間の用事が寄り集まってくるのは落葉のようなものである。掃いてもまた積もってくる。結局は尽きることがない。重要な大事でない限りは、すばやく一掃して、ぐずぐず迷ってはならない。そうしてこそ胸の中にゆったりとした余裕が生まれる。
解説
次々と押し寄せる用事を、掃いても掃いても降ってくる落葉にたとえた印象的な一条です。雑事はどれだけ片づけても尽きることがない。だから大事でないものは、迷わず手早く片づける。そうして初めて心に余裕が生まれると一斎は言います。前々条で人事はすべて学だと言いながら、ここでは雑事に心を奪われない工夫を説いており、二つは矛盾しません。事に当たりながらも、軽重を見分けて心を占領させないことが肝要なのです。一斎は幕府の儒官として多くの公務と門人の世話を抱えていました。小さな案件の判断を先延ばしにして頭を塞いでいないか、見直す手がかりになる言葉です。
この章句が説くこと
雑事決断余裕軽重時間
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