言志四録 / 言志晩録 第二百五十五条 起すは易く収結は難し
凡事初起易。收結難。於一技一藝亦然。
新字:凡事初起易。収結難。於一技一芸亦然。
書き下し
凡そ事は初め起すは易く、収結は難し。一技一芸に於ても亦然り。
現代語訳
およそ物事は、始めるのはやさしく、締めくくるのは難しい。一つの技、一つの芸においても同じである。
解説
物事は始めるより終えるほうがはるかに難しい、という短い一条です。「収結」は締めくくり、仕上げの意味です。『詩経』大雅・蕩の「初め有らざるは靡く、克く終り有るは鮮し」以来、終わりを全うすることの難しさは儒学で繰り返し説かれてきました。一斎は、国家や人生の大事だけでなく、一つの技芸を修めるときにも同じだと言います。この条から晩録は数条にわたって「起処」と「収結」、そして晩年を締めくくりの時期と見る考えへと展開していきます。新しい企画を立ち上げるときの勢いに比べ、最後の詰めや後始末に同じだけの力を注げているかを見直すきっかけになる言葉です。
この章句が説くこと
収結始終持続技芸
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