言志四録 / 言志晩録 第二百五十四条 孫謀は祖を念ふに如くは莫し
後圖宜在奉先。孫謀莫如念祖。
新字:後図宜在奉先。孫謀莫如念祖。
書き下し
後図は宜しく先を奉ずるに在るべし。孫謀は祖を念ふに如くは莫し。
現代語訳
後の世のための計画は、先祖を敬い奉ることにこそあるべきである。子孫のためのはかりごとは、祖先を思うことに勝るものはない。
解説
「後図」は将来の計画、「孫謀」は子孫のためのはかりごとで、『詩経』大雅・文王有声の「詒厥孫謀(その孫謀を詒す)」を踏まえた語です。一斎は、子孫の繁栄を図るには、まず祖先を敬い、その志を思うことが第一だと言います。前条で祖先を預ける寺を敬うべきことを説いたのを受け、祖先を思う心こそが家を後世へつなぐ土台になるという考えです。未来を考えることと過去を大切にすることは、別々のことではなく一つながりだというわけです。組織でいえば、次の世代への引き継ぎを考えるとき、創業の志や先人の積み重ねを振り返ることが、実は最もたしかな布石になるのかもしれません。
この章句が説くこと
祖先子孫継承孝
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