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言志四録 / 言志晩録 第二百五十一条 人才各々用処有り

人才有小大。有敏鈍。敏大。固可用也。但日間鎖事。小鈍者卻能成用。如敏大。則輕蔑常故。是知人才各有用處。非可概棄。

新字:人才有小大。有敏鈍。敏大。固可用也。但日間鎖事。小鈍者却能成用。如敏大。則軽蔑常故。是知人才各有用処。非可概棄。

書き下し

人才には小大有り、敏鈍有り。敏大なるは、固より用ふべきなり。但だ日間の鎖事は、小鈍なる者却って能く用を成す。敏大なるが如きは、則ち常故を軽蔑す。是に人才各々用処有りて、概して棄つべきに非ざるを知る。

現代語訳

人の才能には、小さいものと大きいもの、鋭いものと鈍いものとがある。鋭く大きな才が用いるべきものであるのは、もとより言うまでもない。しかし日々の細々とした仕事では、小さく鈍い才の者のほうがかえってよく役に立つ。鋭く大きな才の者は、ありきたりの決まりきった仕事を軽んじるからである。このことから、人の才能にはそれぞれ使いどころがあり、ひとまとめに捨ててよいものではないことがわかる。

解説

人材の大小・敏鈍と、その使いどころを論じた一条です。才気鋭く器の大きい人が重用されるのは当然です。しかし日々の細かな定型業務では、むしろ才の小さい人や鈍い人のほうがよく働きます。大才の人は「常故」、つまりありふれた決まりごとを軽んじて手を抜きがちだからです。ここから一斎は、人にはそれぞれ適した用い方があり、一律に不要と切り捨ててはならないと結論します。前の条で「人を用ふるには長を取りて短を舎つべし」と述べたことを、才の型に即して具体化したものと言えます。組織は華々しい才能だけでは回らず、地道な仕事を着実にこなす人に支えられています。人材を一つの物差しで評価していないかを見直す手がかりになる言葉です。

この章句が説くこと

用人適材適所人材活用多様性人を見る目

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