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言志四録 / 言志晩録 第二百二十三条 一心を洒掃す

人皆知洒掃一室。而不知洒掃一心。遷善不遺毫髮。改過不留微塵。吾欲洒掃如是而未能。

新字:人皆知洒掃一室。而不知洒掃一心。遷善不遺毫髪。改過不留微塵。吾欲洒掃如是而未能。

書き下し

人は皆一室を洒掃するを知りて、一心を洒掃するを知らず。善に遷りては毫髪を遺さず、過ちを改めては微塵を留めず。吾洒掃すること是の如くならんと欲して未だ能はず。

現代語訳

人はみな、一つの部屋を掃除することは知っているが、自分の心を掃除することは知らない。善に移るときには毛筋ほども取り残さず、過ちを改めるときには塵ほども残さない。私はこのように心を掃除したいと願っているが、まだできていない。

解説

「洒掃」は水をまいて掃くこと、古くは子どもが最初に学ぶ日常の務めとされました。部屋は毎日掃除するのに、心は掃除しないと一斎は指摘します。心の掃除とは、善に移るときは中途半端にせず、過ちを改めるときは跡形も残さないこと。『易経』益卦の「善を見ては則ち遷り、過ち有らば則ち改む」を思わせる言葉です。印象的なのは、最後に「吾は未だ能はず」と自分の未熟を率直に認めている点です。七十を過ぎた大儒が、なお自分はできていないと書き留めるところに、言志四録の誠実さがあります。改善を掲げても、古いやり方や言い訳が少しずつ残ってしまうのはよくあることです。どこまで徹底できているかを見直す材料になります。

この章句が説くこと

改過遷善心の掃除自省徹底

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