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言志四録 / 言志晩録 第二百二十一条 事に処して此の心を錬磨す

處事接物。鍊磨此心。則人情事變。亦一併鍊磨。

新字:処事接物。錬磨此心。則人情事変。亦一併錬磨。

書き下し

事に処し物に接して、此の心を錬磨すれば、則ち人情事変も、亦一併に錬磨す。

現代語訳

事柄に対処し、人や物に接する中でこの心を錬り磨けば、人情の機微や事態の変化への対応もまた、あわせて錬り磨かれる。

解説

王陽明の「事上磨錬」、すなわち実際の事柄の上で心を磨くという考え方を、一斎なりに述べた一条です。心の修養は静かに座って行うだけのものではなく、仕事をこなし人と応対するその場で行われます。そしてそうやって心を磨いていくと、人の気持ちを読む力や、思わぬ事態にどう対応するかという実務の力も、同時に鍛えられていくと一斎は言います。心を磨くことと世事に通じることは別々の修業ではなく、一つのことの両面なのです。昌平坂学問所の儒官として実務にも関わった一斎らしい視点です。日々の業務を単なる作業としてこなすか、自分の心を試し磨く場として受け止めるかで、同じ経験から得られるものが大きく変わってきます。

この章句が説くこと

事上磨錬修養実践人情陽明学

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