言志四録 / 言志晩録 第二百二十条 昼夜一串、老少一串
人於此學。片時不可忘。晝夜一串。老少一串。鼓缶而歌。亦是學。嚮晦宴息。亦是學。
新字:人於此学。片時不可忘。昼夜一串。老少一串。鼓缶而歌。亦是学。嚮晦宴息。亦是学。
書き下し
人此の学に於て、片時も忘るべからず。昼夜一串、老少一串。缶を鼓して歌ふも、亦是れ学なり。晦に嚮ひて宴息するも、亦是れ学なり。
現代語訳
人はこの学問を、片時も忘れてはならない。昼も夜も一貫し、若い時も老いた時も一貫する。缶(素焼きの打楽器)を打って歌うのもまた学であり、日暮れに向かって家に入り休息するのもまた学である。
解説
学問は書斎で本を読む時間だけのものではなく、昼夜も老若も貫く一本の串のようなものだと一斎は言います。後半の二句はともに『易経』に拠ります。「缶を鼓して歌ふ」は離卦の爻辞で、日が傾いた老境にあっても楽しんで生きる姿を示し、「晦に嚮ひて宴息す」は随卦の象伝で、君子が日暮れには家に入って休むことを言います。楽しむことも休むことも、道に適っていれば学の一部だというのです。一斎自身、四十代から八十過ぎまで言志四録を書き継ぎ、生涯学び続けました。仕事と休息を分けて考えがちな現代にあって、休み方や楽しみ方にもその人の学びが現れるという見方は、働き方を考える一つの視点になります。
この章句が説くこと
学問生涯学習休息易経一貫
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