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言志四録 / 言志晩録 第二百十九条 志は師に譲らず

人事百般。都要遜讓。但志則不讓於師。可。又不讓於古人。可。

新字:人事百般。都要遜譲。但志則不譲於師。可。又不譲於古人。可。

書き下し

人事百般、都て遜譲を要す。但だ志は則ち師に譲らざるも可なり。又古人に譲らざるも可なり。

現代語訳

人の世のあらゆる事柄では、すべてへりくだり譲ることが必要である。ただ志だけは、師に譲らなくてもよい。また古人に譲らなくてもよい。

解説

『論語』衛霊公篇の「仁に当たりては師にも譲らず」を踏まえた一条です。日常の事柄では何事も謙虚に譲るべきだが、志の高さだけは師にも、さらには古の聖賢にも遠慮する必要はないと一斎は言います。謙譲を重んじる儒者が、ここだけは譲るなと言い切っているところに重みがあります。志を低く見積もることは、謙虚さではなく自分の可能性を狭めることだという考えでしょう。言志四録全体を貫く立志の主題が、晩年になっても揺らいでいないことが分かります。振る舞いは控えめに、目指すところは高く。この二つは矛盾せず、むしろ両立してこそ人は伸びていくのかもしれません。上司や先達を敬いつつも、自分の志を小さくしていないかを問う言葉です。

この章句が説くこと

立志遜譲謙虚向上心論語

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