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言志四録 / 言志晩録 第百九十八条 愛敬の二字は交際の要道

愛敬二字。爲交際之要道。勿傲視以凌物。勿侮咲以調人。旅獒。玩人喪德。眞是明戒。

新字:愛敬二字。為交際之要道。勿傲視以凌物。勿侮咲以調人。旅獒。玩人喪徳。真是明戒。

書き下し

愛敬の二字は、交際の要道たり。傲視して以て物を凌ぐこと勿れ。侮笑して以て人を調ること勿れ。旅獒に「人を玩べば徳を喪ふ」と。真に是れ明戒なり。

現代語訳

「愛」と「敬」の二字は、人との交わりにおける最も大切な道である。驕った目で見下して人をしのいではならない。侮って笑い、人をからかってはならない。『書経』旅獒篇に「人をもてあそべば徳を失う」とある。これはまことに明らかな戒めである。

解説

交際の要を「愛敬」の二字にまとめ、その反対の態度を具体的に戒めた条です。見下して相手をしのごうとすること、侮って笑いものにすることは、いずれも愛と敬を欠いた振る舞いです。一斎はその根拠に『書経』旅獒篇の「人を玩べば徳を喪ひ、物を玩べば志を喪ふ」を引きます。人をもてあそぶ者は、相手を傷つける以上に自分の徳を失うという指摘です。先の条で、天下の人に兄弟の相と主人の相で接せよ、愛と敬を併せ持てと述べたのとつながります。軽いいじりや冗談のつもりの一言が、職場の信頼を静かに損なうことは少なくありません。立場が上の人ほど、その影響の大きさを考える材料になる言葉です。

この章句が説くこと

愛敬交際傲慢侮り徳

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