導師導古典を学びたいすべての人に

言志四録 / 言志晩録 第百九十六条 他人をして不好の話を談ぜしむ

有人雖不自談不好話。而誘動他人敎談。己則在側。與衆共聞快咲之。以取一塲興。太爲失德。究與自談不好話一般。

新字:有人雖不自談不好話。而誘動他人教談。己則在側。与衆共聞快咲之。以取一塲興。太為失徳。究与自談不好話一般。

書き下し

人有り、自ら不好の話を談ぜずと雖も、而も他人を誘動して談ぜしめ、己は則ち側に在りて、衆と共に聞きて之を快笑し、以て一場の興を取る。太だ徳を失ふと為す。究に自ら不好の話を談ずると一般なり。

現代語訳

自分では良くない話をしないけれども、他人をそそのかして話させ、自分はそばにいて、皆と一緒にそれを聞いて面白がって笑い、その場の座興とする者がいる。これははなはだ徳を損なうことである。結局は、自分で良くない話をするのと同じである。

解説

自分の手を汚さずに、他人に陰口や下品な話をさせて楽しむ人を戒めた条です。本人は話していないので責任はないつもりでいますが、話を引き出し、そばで笑って座を盛り上げている以上、自分で話したのと変わらないと一斎は断じます。むしろ人を使い、自分は安全な位置にいる分だけ、たちが悪いとも言えます。前条の「触忤」と並び、交際における徳の損ない方を具体的に挙げています。宴席や雑談の場では、こうした振る舞いが知らず知らずに起こりがちです。人の噂話を促したり、面白がって広めたりしていないか。組織の空気を左右する立場の人ほど、自分の笑いが何を後押ししているかに意識を向ける価値があります。

この章句が説くこと

陰口言葉の慎み責任職場の空気徳

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る