言志四録 / 言志晩録 第百七十六条 視聴を慎み心の門戸を固くす
愼視聽。以固心之門戶。謹言動。以嚴心之出入。
新字:慎視聴。以固心之門戸。謹言動。以厳心之出入。
書き下し
視聴を慎みて、以て心の門戸を固くし、言動を謹みて、以て心の出入を厳にす。
現代語訳
見ることと聞くことを慎んで、心の門を固く守り、言うことと振る舞うことを謹んで、心の出入りを厳しく管理する。
解説
目と耳を心の門戸に、言葉と動作を心の出入口にたとえた条です。背景には『論語』顔淵篇の「非礼視る勿れ、聴く勿れ、言ふ勿れ、動く勿れ」という四勿と、それを受けて程頤が作った視・聴・言・動の四箴があります。外から入るものは視聴を通じて心を揺さぶり、心から出るものは言動となって人に及びます。門番を置くように入口を固め、出口を厳しく見張れば、心の主は乱れません。前の条で自分の言動を自ら聞き視よと言ったのと対をなし、内と外の境目に意識を置く修養法です。情報が絶え間なく流れ込み、言葉がすぐ発信されてしまう今、何を入れ何を出すかを選ぶことは、集中と信用の双方を守る基本と言えます。
この章句が説くこと
慎独視聴言動心術自制情報の取捨
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