言志四録 / 言志録 第百八十六条 言を慎むは行を慎むなり
愼言處。即愼行處。
新字:慎言処。即慎行処。
書き下し
言を慎む処は、即ち行を慎む処なり。
現代語訳
言葉を慎むところは、そのまま行いを慎むところである。
解説
わずか九字の短い条ですが、言と行を二つに分けない一斎の考え方がよく表れています。言葉は行いの一部であり、口から出た一言はすでに一つの行為です。『論語』里仁に「君子は言に訥にして、行に敏ならんことを欲す」とあるように、儒学では言葉を控えることと行いに励むことが常に対で説かれてきました。一斎はそれをさらに踏み込んで、言葉を慎む場がそのまま行いを慎む場なのだと言い切っています。前後の条も口と言葉を主題にしており、続けて読むと一斎の関心の所在がわかります。発言が記録に残り、すぐに広がる時代には、話すことそのものの重みを考え直させる言葉です。
この章句が説くこと
慎言言行一致慎み修養
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