言志四録 / 言志晩録 第百四十一条 婦徳は貞、婦道は順
婦德。一箇貞字。婦道。一箇順字。
新字:婦徳。一箇貞字。婦道。一箇順字。
書き下し
婦徳は、一箇の貞の字。婦道は、一箇の順の字。
現代語訳
婦人の徳は、ひとつ「貞」の字に尽きる。婦人の道は、ひとつ「順」の字に尽きる。
解説
婦人の徳と道を、それぞれ一字に集約した一条です。「貞」は心がまっすぐで操を守ること、「順」は人に従い和することを指し、儒教の女訓書が繰り返し説いてきた徳目です。一斎は前後の条で后妃や奥向きの問題を論じており、ここでもその流れの中で家を治める婦人のあり方を述べています。今日の目から見れば、女性に従順を求める江戸時代の儒教的な価値観がはっきり表れた条であり、そのまま受け取ることはできません。ただ、一つの徳目を一字にまで絞り込む一斎の言葉の作法はよく表れています。自分の役割の核心を一字で言うとしたら何か、という問いに置き換えて考えることはできるでしょう。
この章句が説くこと
婦徳貞順女訓時代の価値観
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