言志四録 / 言志晩録 第百三十九条 外廷感応の機は閨内に在り
人主閨內之事。外人所不知。然外廷感應之機。的在此。國風擘初頭關雎。即此意。
新字:人主閨内之事。外人所不知。然外廷感応之機。的在此。国風擘初頭関雎。即此意。
書き下し
人主閨内の事は、外人の知らざる所なり。然れども外廷感応の機は、的に此に在り。国風の初頭に関雎を擘くは、即ち此の意なり。
現代語訳
君主の奥向き(家庭内)のことは、外の人の知らないところである。しかし表の朝廷がそれに感応して動くきっかけは、まさにここにある。『詩経』国風の冒頭に関雎の詩をまず置いているのは、まさにこの意味である。
解説
君主の私生活、とりわけ奥向きのあり方が、表の政治を左右するという一条です。『詩経』は国風の冒頭に「関雎」を置きますが、これは周の文王と后妃の徳をうたった詩とされ、儒者は夫婦の正しさから天下の教化が始まることを示すものと解してきました。一斎はその伝統に立ち、外からは見えない家庭の内にこそ政治の源があると説きます。以下数条、関雎や婦徳、宮閫(奥向き)の問題が続きます。上に立つ人の人柄や暮らしぶりは、隠しているつもりでも言動を通じて組織に伝わるものです。人目につかないところでの自分のあり方が、仕事の場にどうにじみ出ているかを考えさせる一条です。
この章句が説くこと
修身斉家家庭感化為政詩経
関連する章句
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呂氏春秋・先己④詩に曰く、「轡を執ること組の如し。」孔子曰く、「此の言を審らかにすれば、以て天下を為む可し。」子貢曰く、「何ぞ其れ躁なるや。」孔子曰く、「其の躁なるを謂うに非ざるなり。其の之を此に為めて、文を彼に成すを謂えるなり。」聖人は其の身を組修して、文を天下に成す。故に子華子曰く、「丘陵成りて、穴する者安んじ、深淵成りて魚鱉安んじ、松柏成りて塗の人已に蔭せらる。」
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