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言志四録 / 言志晩録 第百三十四条 言路開くも深く察すべし

國有道時。言路開。可慶也。但怕功利之徒。乘時紛起群奏。其實或有大相左者。不容不深察。

新字:国有道時。言路開。可慶也。但怕功利之徒。乗時紛起群奏。其実或有大相左者。不容不深察。

書き下し

国に道有る時は、言路開く。慶ぶべきなり。但だ怕る、功利の徒、時に乗じて紛起し群奏するを。其の実或いは大いに相左く者有り。深く察せざるを容れず。

現代語訳

国に正しい道が行われている時には、下の者が意見を上に申し述べる道が開かれる。これは喜ぶべきことである。ただ恐れるのは、功名や利益を求める者たちがこの機に乗じて次々に現れ、群がって意見を上奏することだ。その実際は、しばしば正しい道と大いに食い違っているものがある。深く見極めないわけにはいかない。

解説

言路、すなわち下から上へ意見を述べる道が開かれていることは、良い政治のしるしです。一斎もそれを喜ぶべきことと認めます。しかし同時に、その開かれた場に功利の徒が群がり、もっともらしい意見を次々に持ち込むことを警戒しています。意見が多く集まること自体は善でも、中身は玉石混淆であり、ときに本来の道と大きく食い違うものが混じる。だから上に立つ者は、声の大きさや数ではなく、その実を深く察する必要があるのです。意見を広く求める仕組みを整えることと、出てきた意見を見極める力は別のものです。提案制度や会議で声を集めるとき、その声が何のために発せられているのかにも目を向けたいところです。

この章句が説くこと

言路意見の見極め功利為政洞察

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