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言志四録 / 言志晩録 第百三十三条 巌穴の心と礼楽の実

抱巖穴之心者。可以居臺閣。得禮樂之實者。可以任將帥。

新字:抱巖穴之心者。可以居台閣。得礼楽之実者。可以任将帥。

書き下し

巌穴の心を抱く者は、以て台閣に居るべし。礼楽の実を得る者は、以て将帥に任ずべし。

現代語訳

山奥の岩屋に隠れ住む隠者のような心を抱いている者であってこそ、政府の中枢に居ることができる。礼と楽の真の精神を身につけた者であってこそ、将軍として軍を任せることができる。

解説

一見逆説的な組み合わせで人材の条件を説いた一条です。政権の中枢にいるべきは、権勢を求めない隠者の心を持つ者。名利に執着しない人であれば、地位に溺れず私心なく判断できるからです。また軍を率いる将には、武勇よりも礼楽、すなわち秩序と調和の実質を身につけた者がふさわしいと言います。力を持つ者ほど、その力を抑える教養が要るという考えでしょう。晩録のこの前後には為政者の資質を問う条が続き、才より量を取るとした前の条とも響き合います。権限の大きい立場に誰を就けるか考えるとき、その地位を求める熱意の強さだけで判断していないかを振り返らせる言葉です。

この章句が説くこと

無欲礼楽人材登用為政将の器

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