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言志四録 / 言志晩録 第百十条 縮遠鏡と壺盧

戎器中。宜眞縮遠鏡。又齎大小壺盧。竝爲有用物。不可欠。

新字:戎器中。宜真縮遠鏡。又齎大小壺盧。並為有用物。不可欠。

書き下し

戎器の中、宜しく縮遠鏡を寘くべし。又大小の壺盧を齎す。並びに有用の物為り。欠くべからず。

現代語訳

軍用の器具の中には、望遠鏡(縮遠鏡)を備えておくのがよい。また大小のひょうたん(壺盧)を携えておく。どちらも役に立つ物であり、欠かしてはならない。

解説

軍の装備として、縮遠鏡すなわち望遠鏡と、大小の瓢箪を挙げた実用的な条です。原文の「眞」は「寘」(置く)の意に読みました。望遠鏡は遠方の敵情を知るため、瓢箪は水を運んだり浮き袋にしたりと用途の広い道具です。前の条で泳ぎの大切さを述べたこととも関わるかもしれません。西洋渡来の望遠鏡と、昔ながらの瓢箪を並べているのが面白いところで、新旧を問わず役に立つものは取り入れるという一斎の実際的な感覚が表れています。儒者でありながら、細かな装備にまで気を配っていたことがわかります。大きな方針だけでなく、現場で本当に役立つ道具は何かを具体的に考える姿勢の例といえます。

この章句が説くこと

武備実用道具備え新旧

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