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言志四録 / 言志晩録 第百一条 覇者と王者

務攬英雄之心。覇者以之。以天下之所從。攻親戚之所畔。王者以之。

新字:務攬英雄之心。覇者以之。以天下之所従。攻親戚之所畔。王者以之。

書き下し

務めて英雄の心を攬るは、覇者之を以てす。天下の従ふ所を以て、親戚の畔く所を攻むるは、王者之を以てす。

現代語訳

努めて英雄たちの心をつかみ集めるのは、覇者のやり方である。天下の人々が従う力によって、親族にさえ背かれた者を攻めるのは、王者のやり方である。

解説

覇者と王者の違いを、二つの古典の言葉を並べて示した条です。前半は兵書『三略』の冒頭「務めて英雄の心を攬る」、後半は『孟子』公孫丑下の「天下の順ふ所を以て、親戚の畔く所を攻む」を踏まえています。覇者は有能な人物の心を意図して取り込み、その力で天下を取ろうとします。王者は徳によって天下の人心がおのずと従い、親族にまで見放された暴君を討つのです。人材を集めることは大切ですが、それが目的化した結束は、利が離れれば崩れます。一斎は、才能ある人を取り込む巧みさと、広く人心が寄り添う正しさとの違いを見ています。人が集まる理由が何なのか、自分の組織を顧みる視点になります。

この章句が説くこと

王道覇道人心徳治孟子

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