言志四録 / 言志晩録 第四十七条 易・書・魯論
經書不可不講明。就中以易書魯論爲最緊要。
新字:経書不可不講明。就中以易書魯論為最緊要。
書き下し
経書は講明せざるべからず。就中、易・書・魯論を以て最も緊要と為す。
現代語訳
経書は講じて明らかにしなければならない。中でも『易経』『書経』と『論語』(魯論)が最も大切である。
解説
経書の中で何を最重要とするかを示した短い条です。『易経』は天地の変化の理を、『書経』は古の聖王の政治を、『論語』は孔子の言行を伝えます。天道の原理、為政の実際、人としての日常の道と、三つの書が互いに補い合う形になっているのが興味深いところです。一斎は晩年に『周易』の講義を重ね、易を深く重んじていました。この近くの条にも易を性の注脚とする言葉があります。朱子学が重んじた四書よりも、易と書を先に挙げている点に一斎の関心がうかがえます。膨大な資料の中から自分の核となる数冊を定めることは、学びを深めるうえで欠かせません。自分にとっての「易・書・魯論」は何かを考えてみるのもよいでしょう。
この章句が説くこと
経書易経論語読書講明
関連する章句
-
言志四録・言志後録 第四十七条 易は天を以て人を説く易は天を以て人を説き、書は人を以て天を説く。
-
言志四録・南洲手抄易は是れ性の字の註脚なり。詩は是れ情の字の註脚なり。書は是れ心の字の註脚なり。
-
言志四録・言志後録 第二百三十条 程伝は経に亜ぐ周易は両呂の復古より、而して朱子其の本を用ふ。亦見有り。程伝は則ち伝注と名づくれども、而も実は経に亜ぐ。書本の古今を論ぜず、最も高し。
-
言志四録・言志耋録 第三条 経書を読むは我が心を読むなり経書を読むは、即ち我が心を読むなり。認めて外物と做すこと勿れ。我が心を読むは、即ち天を読むなり。認めて人心と做すこと勿れ。
-
言志四録・言志耋録 第二百二十六条 先づ経に熟して後に註学生の経を治むるは、宜しく先づ経に熟して、而る後に諸を註に求むべし。今は皆註に熟して、経に熟せず。是を以て深意を得ず。関尹子曰く、「善く弓する者は、弓を師として、羿を師とせず。善く舟する者は、舟を師として、奡を師とせず」と。此の言然り。
-
言志四録・言志耋録 第八条 四書の目を創定す朱文公、易に於ては古易に復し、詩に於ては小序を刪る。固より是れ巨眼なり。其の最も功有る者は、四書の目を創定するに在り。此れは是れ万世不易の称なり。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る