言志四録 / 言志後録 第二百五十三条 三不朽は徳に本づく
三不朽必本於德。有德者必有言。是知德立則言立。德惟善政。是知德立則功立。吾求之古人。兼此三者不見幾人。苟有之。吾將尙友之不暇。尙何問其小疵。是我志也。
新字:三不朽必本於徳。有徳者必有言。是知徳立則言立。徳惟善政。是知徳立則功立。吾求之古人。兼此三者不見幾人。苟有之。吾将尚友之不暇。尚何問其小疵。是我志也。
書き下し
三不朽は必ず徳に本づく。徳有る者は必ず言有り。是れ徳立てば則ち言立つを知る。徳は惟れ政を善くす。是れ徳立てば則ち功立つを知る。吾之を古人に求むるに、此の三者を兼ぬるは幾人をも見ず。苟くも之有らば、吾将に之を尚友するに暇あらざらんとす。尚ほ何ぞ其の小疵を問はん。是れ我が志なり。
現代語訳
三つの不朽(徳を立てる・功を立てる・言を立てる)は、必ず徳を根本とする。「徳のある者には必ず優れた言葉がある」(論語)という。これによって、徳が立てば言も立つことがわかる。「徳こそが政治を善くする」(書経)という。これによって、徳が立てば功も立つことがわかる。私がこれを古人に求めてみても、この三つを兼ね備えた人は幾人も見当たらない。もしそういう人がいれば、私はその人を友として慕うのに忙しいほどであろう。どうしてその小さな欠点を問題にしようか。これが私の志である。
解説
春秋左氏伝にいう三不朽、すなわち立徳・立功・立言の三つを、一斎は徳一つに帰着させます。論語の「徳有る者は必ず言有り」から言は徳に従い、書経の「徳は惟れ政を善くす」から功も徳に従う。だから根本は徳であると論じます。そして三つを兼ね備えた古人はごく少ないが、もしいるならば孟子のいう尚友、つまり書物を通じて古人を友とすることに没頭し、小さな欠点など問わない、それが自分の志だと結びます。成果や発信より先に人柄の土台があるという順序の話であり、同時に、偉大な人の小疵をあげつらわない態度の表明でもあります。誰を手本にし、どこを見て学ぶかを考える手がかりになります。
この章句が説くこと
三不朽徳尚友立志手本
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