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言志四録 / 言志後録 第二百三十六条 兵法の下手処と著眼処

先爲不可勝。以待敵之可勝。是其下手處。必以全爭於天下。是其著眼處。校之以計而索其情。是其秘密處。

新字:先為不可勝。以待敵之可勝。是其下手処。必以全争於天下。是其著眼処。校之以計而索其情。是其秘密処。

書き下し

先づ勝つ可からざるを為して、以て敵の勝つ可きを待つ。是れ其の下手の処なり。必ず全きを以て天下に争ふ。是れ其の著眼の処なり。之を校ぶるに計を以てして其の情を索む。是れ其の秘密の処なり。

現代語訳

まず自分を敵が勝てない態勢にして、そのうえで敵に勝てる隙が生じるのを待つ。これが兵法の手の着けどころである。必ず自分も相手も損なわずに全うする形で天下を争う。これが兵法の目の着けどころである。彼我をはかりごとによって比べ、その実情を探る。これが兵法の奥の秘訣である。

解説

『孫子』の要点を、三つの言葉で整理した条です。形篇の「先づ勝つ可からざるを為して、以て敵の勝つ可きを待つ」は、まず守りを固めて負けない態勢をつくり、勝機は相手の隙に待つという考えで、一斎はこれを着手の起点とします。謀攻篇の「必ず全きを以て天下に争ふ」は、戦わずに相手を丸ごと取ることを最上とする考えで、これが目のつけどころです。計篇の「之を校ぶるに計を以てして其の情を索む」は、彼我の条件を比べて実情を探ることで、これを秘訣と呼びます。まず負けない体制を整え、損なわずに勝つことを目指し、冷静に比較分析する。事業の競争戦略にもそのまま通じる読み方です。

この章句が説くこと

兵法戦略守り分析全勝

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