尚書 / 仲虺之誥
兼弱攻昧,取亂侮亡,推亡固存,邦乃其昌
新字:兼弱攻昧,取乱侮亡,推亡固存,邦乃其昌
書き下し
弱きを兼(あわ)せ昧(くら)きを攻め、乱るるを取り亡ぶるを侮(あなど)り、亡ぶるを推(お)して存するを固くすれば、邦乃(すなわ)ち其れ昌(さか)んなり。
現代語訳
弱った者は併合し、道理に暗い者は攻め、乱れた者は取り込み、滅びかけた者は見捨てる。滅びゆくものを押し進め、存続するものを固めていけば、国はいよいよ栄える。
解説
商の湯王が夏を討った理路を説く戦略論として知られ、後世の兵法書にも影響を与えた句である。弱っているもの、混乱しているもの、既に傾いているものにどう向き合うかという判断は、国家に限らず、事業や人間関係の整理においても問われる。すべてを救おうとして共倒れになるより、残すべきものを見極めて固める判断が要る場面は少なくない。ただしこの理路は強者の論理でもあり、その適用には慎重さが求められる。なお、本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
この章句が説くこと
戦略取捨選択存亡
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