言志四録 / 言志後録 第二百二十七条 財は才なり
理財當著何想。余謂財者。才也。著想當如驅使才人然。辨事在才。取禍亦在才。可不愼乎。
新字:理財当著何想。余謂財者。才也。著想当如駆使才人然。弁事在才。取禍亦在才。可不慎乎。
書き下し
理財は当に何の想を著くべき。余謂ふ、財は才なり。想を著くること当に才人を駆使するが如く然るべし。事を弁ずるも才に在り、禍を取るも亦才に在り。慎まざる可けんや。
現代語訳
財を治めるには、どのような心構えを持つべきか。私はこう考える。財は才である。心構えとしては、才能ある人を使いこなすときのようであるべきだ。物事を成し遂げるのも才によるし、禍いを招くのもまた才による。慎まずにいられようか。
解説
財と才が同じ音であることに掛けて、財を扱う心構えを説いた条です。才能ある人は、うまく使えば大きな仕事を成し遂げますが、使い方を誤れば組織に禍いをもたらします。財も同じで、うまく運用すれば事業を支え人を助けますが、扱いを誤れば争いや腐敗の種になります。だから財は、才人を使うときのように、その力を認めつつ慎重に扱わなければならないと一斎は言います。財を悪とも善とも決めつけず、力を持った道具として見る冷静な見方です。資金も人材も、多ければよいのではなく、どう使うかで結果が決まります。予算や資源を預かる立場の人に、扱いの慎重さを思わせる条です。
この章句が説くこと
理財才慎み人材
関連する章句
-
論語・雍也篇子游、武城の宰と為る。子曰く、「女、人を得たるか。」曰く、「澹台滅明なる者有り。行くに径に由らず。公事に非ざれば、未だ嘗て偃の室に至らざるなり。」
-
論語・泰伯篇舜に臣五人有りて、天下治まる。武王曰く、「予に乱臣十人有り。」孔子曰く、「『才難し』とは、其れ然らずや。唐虞の際、斯に於いて盛んなりと為す。婦人有り、九人のみ。天下を三分して其の二を有ち、以て殷に服事す。周の徳は、其れ至徳と謂う可きのみ。」
-
孫子・作戦篇其の戦を用うるや、勝つを貴ぶ。久しければ則ち兵を鈍らせ鋭を挫き、城を攻むれば則ち力屈し、久しく師を暴せば則ち国用足らず。
-
尉繚子・武議良馬も策有れば、遠道致すべし。賢士も合有れば、大道明らかにすべし。
-
『韓非子』難二第三十七桓公曰く、「吾聞く、人に君たる者は人を索むるに労し、人を使うに佚すと。吾仲父を得ること已に難し。仲父を得るの後、何為れぞ易からざらんや。」
-
論語・衛霊公篇子曰く、君子は小知す可からずして、大受す可きなり。小人は大受す可からずして、小知す可きなり。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る