言志四録 / 言志後録 第二百二十四条 信を人に取る
取信於人。則財無不足。
書き下し
信を人に取れば、則ち財足らざる無し。
現代語訳
人から信用を得れば、財が不足することはない。
解説
財と信用の関係を一言で述べた条です。人から信用されていれば、必要なときに人も物も金も集まり、財に困ることはないと一斎は言います。これは商人の世界でも藩の財政でも同じで、信用のない者には誰も貸さず、取引もしてくれません。前の二条で、人を欺かないこと、私心を挟まないことを説いたのを受け、その結果として信用が得られ、財も足りるという筋道になっています。『論語』顔淵篇で孔子が兵や食より「信」を重んじ、「民信無くんば立たず」と言ったことも思い起こされます。資金調達や取引の条件は、突き詰めれば日ごろの信用の積み重ねで決まります。信用こそが資産だという見方を示す条です。
この章句が説くこと
信用理財信頼誠
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