言志四録 / 言志後録 第二百二条 宋明二史は今に近し
宋明二史。事跡人情。於今爲近。但卷帙浩瀚。能抽其要處讀之可。
新字:宋明二史。事跡人情。於今為近。但巻帙浩瀚。能抽其要処読之可。
書き下し
宋明の二史は、事跡人情、今に於て近しと為す。但だ巻帙浩瀚なり。能く其の要処を抽きて之を読みて可なり。
現代語訳
宋と明の二つの正史は、記された出来事も人の情も、今の時代に近い。ただし巻数がきわめて多く膨大である。その要所をうまく抜き出して読むのがよい。
解説
前条の唐書に続き、『宋史』と『明史』の読み方を述べた条です。一斎は、宋・明の時代は制度も社会も人の心の動きも自分たちの時代に近く、学ぶところが多いと見ています。朱子学も陽明学もこの二つの時代に生まれた学問ですから、儒官である一斎にとって身近な歴史でもありました。ただ『宋史』は四百九十六巻、『明史』は三百三十二巻と膨大で、全部を読み通すのは現実的ではありません。そこで要所を抜き出して読めと勧めます。情報があふれる今、すべてを読もうとせず、自分に近い時代や状況の記録から要点を選んで学ぶという姿勢は、忙しく働く人にもそのまま使える工夫です。
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