言志四録 / 言志後録 第百九十七条 居官の六事十二字
敬忠。寛厚。信義。公平。廉淸。謙抑。六事十二字。居官者所宜守。
新字:敬忠。寛厚。信義。公平。廉清。謙抑。六事十二字。居官者所宜守。
書き下し
敬忠、寛厚、信義、公平、廉清、謙抑。六事十二字は、官に居る者の宜しく守るべき所なり。
現代語訳
敬忠(慎み深く誠を尽くす)、寛厚(寛大で情に厚い)、信義(約束を守り道義を重んじる)、公平(偏りがない)、廉清(私欲がなく清らか)、謙抑(へりくだり控えめにする)。この六項目十二字は、官職にある者が守るべきものである。
解説
役職にある者が守るべき徳目を、二字ずつ六つにまとめた一条です。主君や職務に対して慎み誠を尽くす敬忠、人に対して寛く厚い寛厚、約束と道義を守る信義、私情を交えない公平、私欲のない廉清、驕らずへりくだる謙抑。一斎はこれを「六事十二字」と数え、覚えやすい形で示しています。前後の条で、為政の四つの資質や、罪を裁く智仁勇を論じていたのと同じく、実際に官職にある人々に向けた具体的な指針です。管理職や公職に就いた人が、自分の日々の振る舞いをこの六つに照らしてみると、どこが手薄になっているかが見えてくるかもしれません。
この章句が説くこと
居官公平清廉謙虚信義為政
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