言志四録 / 言志後録 第百八十九条 迫切なる者には半ばを任ず
人或有性迫切。好擔當事者。驅使之卻難。迫切者多執拗。不可擧全以委之。宜割半以任之。
新字:人或有性迫切。好担当事者。駆使之却難。迫切者多執拗。不可挙全以委之。宜割半以任之。
書き下し
人或は性迫切にして、好んで事を担当する者有り。之を駆使するは却って難し。迫切なる者は多く執拗なり。全を挙げて以て之に委ぬべからず。宜しく半ばを割きて以て之に任ずべし。
現代語訳
人の中には、性格がせっかちで、好んで物事を引き受けたがる者がいる。こういう人を使うのはかえって難しい。せっかちな者は多くの場合、頑固で自説に固執する。すべてをこの人に委ねてはならない。半分を分けて任せるのがよい。
解説
人の使い方について、具体的な処方を示した一条です。性急で何でも引き受けたがる人は、一見頼もしく使いやすそうですが、一斎はかえって扱いが難しいと言います。性急な人は往々にして自説に固執し、周りの意見を聞かずに突き進むからです。だから全部を任せず、半分だけ任せよという。能力や意欲を活かしつつ、暴走したときの被害を限り、他の人の目も入るようにする知恵でしょう。先に「人は己が才性の短長を知るべし」とありましたが、ここでは人を使う側が相手の短長を見きわめています。意欲の高い部下に仕事を振るとき、任せ方の度合いを考える参考になります。
この章句が説くこと
人の使い方任用適材適所人を見る目統率
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