言志四録 / 言志後録 第百八十七条 平心易気なれば人自ら服す
處事平心易氣。人自服。纔動於氣。便不服。
新字:処事平心易気。人自服。纔動於気。便不服。
書き下し
事を処するに心を平らかにし気を易らかにすれば、人自ら服す。纔かに気に動けば、便ち服せず。
現代語訳
事を処理するとき、心を平らかにし、気持ちを穏やかにすれば、人はおのずと従う。わずかでも感情に動かされると、たちまち従わなくなる。
解説
人が従うかどうかは、指示の中身よりも、事にあたる人の心の状態で決まるという一条です。心を平らにし気を和らげて事を処すれば、人はおのずと服する。ところが、わずかでも怒りや焦りといった感情に動かされると、たとえ言っていることが正しくても、人は従わなくなると一斎は言います。前に見た「人情は水の如し」や「事を処するは平平穏穏」の条と同じく、平穏を重んじる一斎の処事論の一つです。部下を叱るときや、対立する相手と交渉するとき、自分の声や表情に苛立ちが出ていないかを意識するだけでも、結果は変わってくるかもしれません。
この章句が説くこと
平常心感情統率処事心術
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