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言志四録 / 言志後録 第百五十四条 生生の理は一なり

草木氣質。有清濁輕重。寒溫堅脆。酸甘辛苦諸毒之不同。醫書謂之性。即皆土氣也。人氣質亦然。然其同具生生之理則一也。

新字:草木気質。有清濁軽重。寒温堅脆。酸甘辛苦諸毒之不同。医書謂之性。即皆土気也。人気質亦然。然其同具生生之理則一也。

書き下し

草木の気質は、清濁軽重、寒温堅脆、酸甘辛苦、諸毒の同じからざる有り。医書之を性と謂ふ。即ち皆土気なり。人の気質も亦然り。然れども其の同じく生生の理を具ふるは則ち一なり。

現代語訳

草木の気質には、清と濁、軽と重、寒と温、堅と脆、酸・甘・辛・苦、さまざまな毒性の違いがある。医書(本草書)ではこれを「性」という。つまりすべて土気である。人の気質もまた同じである。しかし、どれも同じく生生(生み育てる働き)の理を備えていることは一つである。

解説

土気論の締めくくりとして、違いと共通性の両方を押さえた一条です。本草書では、草木にはそれぞれ清濁、軽重、寒温、堅脆、酸甘辛苦、毒の有無といった違いがあり、これを薬の「性」と呼びます。一斎はそれを土地の気が凝ったもの、すなわち土気と見ます。人の気質も同じように千差万別です。しかし一斎は最後に、どれも等しく「生生の理」、つまり絶えず生み育てる天地の働きを備えている点では一つだと結びます。差異を認めつつ、根底の共通性を見失わない姿勢は、前の理一分殊の条とも重なります。一人ひとりの個性の違いを尊重しながら、誰もが成長しようとする力を持っていると信じること。多様な人と働く上での基本的な構えを示しています。

この章句が説くこと

気質生生多様性共通性本草

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