言志四録 / 言志後録 第百四十七条 移植には時あり
草木移植必有其時。培養又有其度。勿太早。勿太遲。勿過多。勿過少。子弟敎育亦然。
新字:草木移植必有其時。培養又有其度。勿太早。勿太遅。勿過多。勿過少。子弟教育亦然。
書き下し
草木の移植は必ず其の時有り。培養も又其の度有り。太だ早きこと勿れ、太だ遅きこと勿れ、過多なること勿れ、過少なること勿れ。子弟の教育も亦然り。
現代語訳
草木の植え替えには必ずふさわしい時期がある。育て方にもまた程度がある。早すぎてもいけない、遅すぎてもいけない、多すぎてもいけない、少なすぎてもいけない。子弟の教育もまた同じである。
解説
前条の植え替えの比喩を受けて、その時期と程度を論じた一条です。苗は早く移せば根が弱くて枯れ、遅く移せば根が張りすぎて傷む。肥料や水も多すぎれば根腐れし、少なすぎれば育たない。一斎は「勿れ」を四度重ねて、教育にも同じ見極めが必要だと言います。前条で他国に出して学ばせよと勧めながら、ここで早すぎても遅すぎてもいけないと釘を刺しているのが、一斎の目配りの細かさです。子どもや若手をいつ手元から離すか、どれほど手をかけるかには、決まった正解がありません。一人ひとりの育ち具合を見て加減するしかないのです。部下に仕事を任せる時期や、指導の量を考えるときにも、そのまま当てはまる視点です。
この章句が説くこと
教育時機加減人材育成中庸
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