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言志四録 / 言志後録 第百四十六条 子弟は他邦に就かしむ

草木之萌芽。必移植而培養之。乃能暢茂條達。子弟之於業亦然。必使之就師於他邦。資其橐籥。然後有成。碌碌膝下。區區鄕曲。豈有暢茂條達之望。

新字:草木之萌芽。必移植而培養之。乃能暢茂条達。子弟之於業亦然。必使之就師於他邦。資其橐籥。然後有成。碌碌膝下。区区郷曲。豈有暢茂条達之望。

書き下し

草木の萌芽は、必ず移植して之を培養し、乃ち能く暢茂条達す。子弟の業に於けるも亦然り。必ず之をして師に他邦に就き、其の槖籥に資せしめ、然る後に成る有り。碌碌として膝下にあり、区区として郷曲にあらば、豈に暢茂条達の望み有らんや。

現代語訳

草木の芽は、必ず植え替えて育ててこそ、よく伸び茂り枝を張る。子弟が学業を修めるのもまた同じである。必ず他国の師のもとに就かせ、その鞴(ふいご)の風のような薫陶を受けさせてこそ、成就する。親のひざ元でぼんやりと過ごし、狭い郷里にこもっているのでは、どうして伸びやかに育つ望みがあろうか。

解説

子弟の教育を、苗の植え替えにたとえた一条です。芽生えた草木は、苗床から移して育ててこそよく茂る。同じように若者も、親元や郷里を離れて他国の師に就き、その「槖籥」(ふいご)で風を送られるように鍛えられてこそ大成すると一斎は言います。一斎自身、美濃岩村藩の家老の家に生まれながら、若くして大坂の中井竹山らに学び、江戸で林家に入門しています。昌平坂学問所には諸藩から多くの若者が遊学してきており、彼らを受け入れる側としての実感もあったでしょう。次の条では植え替えの時期と程度に話が及びます。人材育成において、慣れた環境から出して他流に揉ませることの意味を考える材料になります。

この章句が説くこと

教育遊学人材育成環境師

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