言志四録 / 言志後録 第百四十一条 薬原は治心修身
小藥。是草根木皮。大藥。是飮食衣服。藥原。是治心修身。玄黓執徐薦月。臥病偶書。
新字:小薬。是草根木皮。大薬。是飲食衣服。薬原。是治心修身。玄黓執徐薦月。臥病偶書。
書き下し
小薬は、是れ草根木皮。大薬は、是れ飲食衣服。薬原は、是れ治心修身。玄黓執徐薦月、病に臥して偶書す。
現代語訳
小さな薬は、草の根や木の皮である。大きな薬は、飲食と衣服である。薬の根源は、心を治め身を修めることである。(壬辰〈玄黓執徐〉の年の薦月、病に臥して、たまたま書く。)
解説
病床で書かれた、養生についての短い一条です。「玄黓執徐」は古い歳名で壬辰の年、一斎六十代初めの天保三年にあたります。草の根や木の皮、つまり生薬は「小薬」にすぎず、日々の飲食や衣服を整えることがより大きな薬であり、さらにその根源は心を治め身を修めることにある、と三段に分けて述べています。前の水火や酒・煙茶の条と同じく、一斎が健康を心の修養と切り離さず考えていたことがわかります。自ら病に臥しながら書き留めたという添え書きが、言葉に実感を与えています。体調を崩したとき薬だけに頼るのではなく、日々の食事や睡眠、そして心の持ちようまで含めて整えることの大切さを、改めて考えさせる言葉です。
この章句が説くこと
養生治心修身健康生活習慣
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