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言志四録 / 言志後録 第百三十三条 水火は中に適ふべし

人物凝聚水火。成此體軀。故非水火不生活。所好亦在水火。但宐令適中不偏勝。水勝則火滅。火勝則水涸。體軀亦不能保。

新字:人物凝聚水火。成此体躯。故非水火不生活。所好亦在水火。但宐令適中不偏勝。水勝則火滅。火勝則水涸。体躯亦不能保。

書き下し

人物は水火を凝聚して、此の体軀を成す。故に水火に非ざれば生活せず。好む所も亦水火に在り。但だ宜しく中に適ひて偏勝せざらしむべし。水勝てば則ち火滅し、火勝てば則ち水涸る。体軀も亦保つ能はず。

現代語訳

人も物も、水と火が凝り集まってこの体を形づくっている。だから水と火がなければ生きてゆけず、好むものもまた水と火にかかわるものにある。ただし、ほどよく中を得させて、一方が勝ちすぎないようにすべきである。水が勝てば火が消え、火が勝てば水が涸れる。そうなれば体もまた保つことができない。

解説

人の体を水と火の凝り集まったものと見て、その均衡の大切さを説いた一条です。水は潤いと形、火は温かさと気の働きを表し、どちらを欠いても生命は保てません。人が好むもの、たとえば飲み物や温かい食事も、水火にかかわるものだと一斎は言います。しかし大事なのは、どちらかが勝ちすぎないように中を保つこと。水が勝てば火が消え、火が勝てば水が涸れる、という対句は、東洋医学の陰陽調和の考え方に通じます。次の条では酒や煙草、茶を水火の合としてとらえ、自分の嗜好への戒めに話が及びます。体調管理の話であると同時に、組織の中の相反する力、たとえば慎重さと勢いの釣り合いを考える比喩としても読めます。

この章句が説くこと

水火中庸均衡養生陰陽

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