言志四録 / 言志後録 第百三十二条 男女構精の理
震巽之感爲氣。坎離之交爲精。艮兌之合爲形。是男女構精之理也。
新字:震巽之感為気。坎離之交為精。艮兌之合為形。是男女構精之理也。
書き下し
震巽の感は気と為り、坎離の交は精と為り、艮兌の合は形と為る。是れ男女精を構ふるの理なり。
現代語訳
震(雷)と巽(風)が感じ合うと気となり、坎(水)と離(火)が交わると精となり、艮(山)と兌(沢)が合わさると形となる。これが男女が精を交えて生命を生み出す理である(『易』繋辞伝「男女精を構へて万物化生す」)。
解説
『易』の八卦を用いて生命の誕生を説明した一条です。八卦のうち、震・坎・艮は陽の卦で長男・中男・少男に、巽・離・兌は陰の卦で長女・中女・少女にあたります。一斎は、雷と風が感応して気が生じ、水と火が交わって精が生じ、山と沢が合わさって形が生じると、陰陽三組の交わりを気・精・形の三段階に配しています。結びは繋辞伝の「男女精を構へて万物化生す」を踏まえ、人の誕生も天地の陰陽の働きの一つだという見方を示します。次の条で人の体を水火の凝集と説くのと一続きの、一斎の自然哲学です。現代の生物学とは異なる枠組みですが、人の生を天地の働きの中に位置づけるまなざしは、自分の存在の由来を考える一つの視点になります。
この章句が説くこと
易陰陽八卦生命自然哲学
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