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言志四録 / 言志後録 第百九条 百年再生の我無し

百年無再生之我。其可曠度乎。

書き下し

百年再生の我無し。其れ曠度すべけんや。

現代語訳

百年の人生において、二度と生まれ直してくる自分はいない。どうして、むなしく月日を過ごしてよいだろうか。

解説

原文わずか十二字の短い条ですが、強い切迫感があります。人生は長くても百年、その自分は二度と生まれてこない。だからむなしく日々を過ごしてはならない、というのです。「曠度」は日を空しく過ごすことです。一斎は別の条で「少にして学べば壮にして為すあり」と、生涯にわたって学ぶことを説いていますが、その根にあるのは、この一度きりの生への自覚でしょう。先の条で生まれる前の自分や死生の循環を見つめた一斎は、だからこそ今の一日の重さを感じていたのだと思われます。忙しさに流されて一日が終わるとき、今日という日が二度と来ないことを思い出せば、時間の使い方や優先順位を見直すきっかけになるかもしれません。

この章句が説くこと

人生時間一度きり志生を惜しむ

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