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言志四録 / 言志後録 第八十九条 謙は徳の柄

謙。德之柄也。敬。德之輿也。可以行師征邑國矣。

新字:謙。徳之柄也。敬。徳之輿也。可以行師征邑国矣。

書き下し

謙は、徳の柄なり。敬は、徳の輿なり。以て師を行り邑国を征すべし。

現代語訳

謙(へりくだること)は、徳の柄(とって)である。敬(慎むこと)は、徳を載せて運ぶ車である。これがあれば、軍を動かし、邑や国を征伐することもできる。

解説

「謙は徳の柄なり」は『易』繋辞下伝の言葉で、謙虚さは徳を手に取って用いるための柄だという意味です。一斎はこれに「敬は徳の輿なり」と対句を添え、慎みが徳を載せて運ぶ車になると言います。さらに「以て師を行り邑国を征すべし」は、謙卦の爻辞「用て師を行り、邑国を征するに利し」を踏まえています。へりくだりと慎みはおとなしい美徳と思われがちですが、『易』はそれがあってこそ大軍を動かし国を治めるような大事業も成せると説くのです。前条の「敬は勇気を生ず」とも響き合います。大きな仕事を任されたときほど、謙虚さと慎みが人を動かす力になるという見方は、組織を率いる人にとって考える価値があるでしょう。

この章句が説くこと

謙敬徳統率易

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