言志四録 / 言志後録 第八十条 智仁は性、勇は気
智。仁。性也。勇。氣也。配以爲三德。有玅理。
新字:智。仁。性也。勇。気也。配以為三徳。有玅理。
書き下し
智と仁とは、性なり。勇は、気なり。配して以て三徳と為すは、妙理有り。
現代語訳
智と仁は、人の本性(性)に属するものである。勇は、気(心身の活力)に属するものである。この二つの性と一つの気を組み合わせて「三徳」としたことには、絶妙な道理がある。
解説
『中庸』は知・仁・勇を「天下の達徳」、すなわち誰にも通じる三つの徳として挙げています。一斎はこの三つを同列に並べず、智と仁は本性に根ざすもの、勇は気のはたらきに属するものと区別したうえで、あえて組み合わせたところに妙味があると見ます。物事を見分ける智と、人をいつくしむ仁があっても、それを実行に移す気力がなければ徳は形になりません。逆に勇だけが先走れば、ただの蛮勇です。性と気が噛み合ってこそ徳が働くという見方は、数条後の「敬は勇気を生ず」にもつながっていきます。判断力と思いやりを、行動に移す力とどう結びつけるかは、人を率いる立場の人にとって常に問われる点でしょう。
この章句が説くこと
三徳智仁勇性気
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