言志四録 / 言志後録 第五十五条 志気は鋭ならんことを欲す
志氣欲銳。操履欲端。品望欲高。識量欲豁。造詣欲深。見解欲實。
新字:志気欲鋭。操履欲端。品望欲高。識量欲豁。造詣欲深。見解欲実。
書き下し
志気は鋭ならんことを欲し、操履は端ならんことを欲し、品望は高からんことを欲し、識量は豁ならんことを欲し、造詣は深からんことを欲し、見解は実ならんことを欲す。
現代語訳
志と気力は鋭くありたい。行いは正しくありたい。品位と人望は高くありたい。見識と度量は広くありたい。学問の到達は深くありたい。物の見方は着実でありたい。
解説
人として目指すべき六つの在り方を、同じ形の句で畳みかけた一条です。志気は鋭く、操履、すなわち日々の行いは端正に、品位と人望は高く、識量、見識と度量は広々と、造詣は深く、見解は着実に。どれも一語で要点を突いており、そのまま自分を点検する項目として使えるような簡潔さがあります。とくに最後の「見解は実ならんことを欲す」は、鋭さや高さを求めるだけでは足元が浮つくことへの戒めとも読めます。鋭さ・高さ・広さ・深さといった方向の違う資質を並べ、それらが一人の中で釣り合うことを求めているのでしょう。自分に欠けているのはどれかを考えさせる、人物評価の物差しにもなる言葉です。
この章句が説くこと
志品格見識度量人物
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