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言志四録 / 言志後録 第五十三条 鱗介は水を虚と為す

鱗介之族。以水爲虛。不知水之爲實。

新字:鱗介之族。以水為虚。不知水之為実。

書き下し

鱗介の族は、水を以て虚と為し、水の実たるを知らず。

現代語訳

魚や貝のたぐいは、水を何もない空虚なものと思っていて、水が実在するものであることを知らない。

解説

魚や貝は水の中で生きていながら、水を何もない空間だと思い、水が確かに存在するものであることに気づかない。短い比喩ですが、前の二条で説いた、宇宙に満ちる「一実」や心の広がりを受けたものと読めます。人もまた、天地の理や気、あるいは自分を支えている人々や社会の中に浸りきっているために、かえってそれを空虚なものと見なし、その実在に気づかないのではないか、という問いかけです。あまりに身近で当たり前のものほど見えにくい。組織の文化や習慣、あるいは周囲からの支えなど、自分が泳いでいる「水」が何なのかを意識してみるきっかけを与えてくれる一条です。

この章句が説くこと

実在気づき天地の理比喩

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