言志四録 / 言志後録 第三十三条 春風を以て人に接す
以春風接人。以秋霜自肅。
新字:以春風接人。以秋霜自粛。
書き下し
春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛む。
現代語訳
春風のような和やかさで人に接し、秋の霜のような厳しさで自分を引き締める。
解説
『言志後録』の中でもとりわけ広く知られた一条です。人に対しては春風のように温かく、自分に対しては秋霜のように厳しく。わずか十二字で、対人と自己規律の姿勢を対にして示しています。論語の「躬自ら厚くして、薄く人を責むれば、則ち怨みに遠ざかる」とも通じる考え方です。ありがちなのはこの逆で、他人の欠点には厳しく、自分には甘くなってしまう。一斎が春と秋という季節の比喩を選んだのは、どちらも天地の自然な働きであり、温かさと厳しさは一人の中に同居できるものだと示すためとも読めます。部下や同僚への接し方と、自分への課し方の釣り合いを見直すきっかけになる言葉です。
この章句が説くこと
寛容自律克己人への接し方
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