格言聯璧 / 接物類・己を律するには秋風を帶ぶ
德盛者,其心和平,見人皆可取,故口中所許可者多。 德薄者,其心刻傲,見人皆可憎,故目中所鄙棄者眾。 律己宜帶秋風,處世須帶春風。
新字:徳盛者,其心和平,見人皆可取,故口中所許可者多。 徳薄者,其心刻傲,見人皆可憎,故目中所鄙棄者衆。 律己宜帯秋風,処世須帯春風。
書き下し
德盛んなる者は、其の心和平にして、人を見て皆取るべしとす、故に口中に許可する所の者多し。 德薄き者は、其の心刻傲にして、人を見て皆憎むべしとす、故に目中に鄙棄する所の者衆し。 己を律するには宜しく秋風を帶ぶべく、世に處するには須らく春風を帶ぶべし。
現代語訳
徳の盛んな人は、心が穏やかで、人を見ればみな取るべき所があると思うので、口で認め褒める相手が多いのです。 徳の薄い人は、心が冷酷で傲慢で、人を見ればみな憎らしいと思うので、目で見下し退ける相手が多いのです。 自分を律するには秋風のような厳しさを帯び、世を渡るには春風のような温かさを帯びるべきです。
解説
前の対句は、人を見る目がその人の徳の鏡になっていることを示します。徳の厚い人は誰にでも良い所を見つけて認め、徳の薄い人は誰にでも欠点を見つけて見下す。人への評価は相手の姿というより、評価する側の心の姿だというのです。刻傲は冷酷で傲慢なことです。最後の句は、自分には秋風のように厳しく、人には春風のように温かくと、季節の風で態度の使い分けを印象深く言い表しています。日本では佐藤一斎の言志四録にある、春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛むという言葉がよく知られており、同じ趣旨です。人の欠点ばかりが目につく日は、自分の心が秋風を人に向けていないか、点検したいものです。
この章句が説くこと
寛容自律接物修身厚徳
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