言志四録 / 言志後録 第二十条 宇宙は我が心に外ならず
宇。是對待之易。宙。是流行之易。宇宙不外我心。
新字:宇。是対待之易。宙。是流行之易。宇宙不外我心。
書き下し
宇は、是れ対待の易。宙は、是れ流行の易。宇宙は我が心に外ならず。
現代語訳
宇(空間)は、互いに向かい合い対になって成り立つ易である。宙(時間)は、移り流れてゆく易である。宇宙は自分の心の外にあるものではない。
解説
『淮南子』などに「四方上下、之を宇と謂ひ、往古来今、之を宙と謂ふ」とあり、宇は空間、宙は時間を指します。一斎はこれを易の二つの相として捉え直しました。宇は陰と陽、上と下のように互いに向き合って成り立つ「対待」、宙は春夏秋冬のように移り変わっていく「流行」です。対待と流行は宋学で易を説く際によく用いられる概念です。そして最後に「宇宙は我が心に外ならず」と結びます。陸象山の「宇宙便ち是れ吾が心」を思わせ、心学への傾きがうかがえる一句です。自分の見ている世界は、自分の心の在り方と切り離せない。視野の狭さや広さも、結局は心の持ちようにかかっていることを考えさせる短い一条です。
この章句が説くこと
宇宙易対待と流行心学世界観
関連する章句
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『慎思録』巻之二四方上下、之を宇と謂ひ、往古来今、之を宙と謂ふ。斯の身は天地の間に生まれ、万古の後に在り。宇宙の間の事は、即ち是れ吾が分内の事なり。知らざるべからず。故に天下の理、古今の迹は、君子の当に知るべき所なり。苟も之を知らんと欲すれば、博学に非ずして、何を以て為さんや。
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