言志四録 / 言志後録 第六条 自重を知る
吾人須知自重。我性。天爵。最當貴重。我身。父母遺體。不可不重。威儀。人所觀望。言語。人所取信。亦得不自重乎。
新字:吾人須知自重。我性。天爵。最当貴重。我身。父母遺体。不可不重。威儀。人所観望。言語。人所取信。亦得不自重乎。
書き下し
吾人は須らく自重を知るべし。我が性は、天爵なり、最も当に貴重すべし。我が身は、父母の遺体なり、重んぜざるべからず。威儀は、人の観望する所、言語は、人の取信する所、亦自ら重んぜざるを得んや。
現代語訳
私たちは自分を重んじることを知らなければならない。自分の本性は天から授かった位(天爵)であり、何よりも貴び重んじるべきものである。自分の身体は父母が遺してくれたものであり、重んじないわけにはいかない。立ち居振る舞いは人が仰ぎ見るところであり、言葉は人が信を置くところである。これらもまた自ら重んじないでよいだろうか。
解説
「自重」を四つの面から説いた条です。本性は『孟子』告子上の「天爵」、つまり人に与えられた爵位ではなく天から授かった尊さであり、身体は『礼記』祭義の「身は父母の遺体なり」とあるように親から受け継いだものです。この二つは内から重んじる理由で、残る二つ、振る舞いと言葉は、人に見られ信じられるから重んじるべきものです。自重とは自分を大事にしまい込むことではなく、天と親と他人に対して責任を負う自分を軽んじないことだと読めます。立場が上がるほど、何気ない言動が周りに見られ、信用の土台になります。自分の一言一挙動を軽く扱っていないかを考えさせる言葉です。
この章句が説くこと
自重天爵威儀言語孝
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