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言志四録 / 言志録 第二百三十八条 異を好むの念を容れず

先儒經解謬誤。不得不訂正。但須出於不得已。不容有好異之念。

新字:先儒経解謬誤。不得不訂正。但須出於不得已。不容有好異之念。

書き下し

先儒の経解の謬誤は、訂正せざるを得ず。但だ須らく已むを得ざるに出づべし。異を好むの念有るを容れず。

現代語訳

先人の儒者による経書解釈の誤りは、訂正しないわけにはいかない。ただし、それはやむを得ずして行うものでなければならない。人と違うことを言いたいという気持ちがあってはならない。

解説

前の条で自分の見識で断じよと言った一斎は、ここでその危うさにも釘を刺します。先儒の解釈に誤りがあれば正すのは学問の義務ですが、それは「已むを得ざる」場合に限る、と。新説を立てて目立ちたいという「異を好む」心が混じると、正しさの追求がいつのまにか自己顕示にすり替わるからです。朱子学を公の学として講じつつ陽明学にも理解を示し、「陽朱陰王」と評された一斎にとって、先儒とどう向き合うかは身近な問題だったはずです。前任者のやり方を改めるとき、その動機が本当に必要からなのか、自分の色を出したいだけなのかを確かめる材料になります。

この章句が説くこと

学問の方法謙虚改革自己顕示先例

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